10歳上に掌で転がされる私はミジンコなのか
まーじで意味がわかんねぇ。
たまにありませんか、1年に1、2度。
怒りっぽい性格じゃなくても、怒りに突き動かされるとき。
今回は突き動かされて何か暴挙に走ったわけではありませんが。
事の発端は昨日早朝。
「ごめん、明日ゴルフ行けなくなった。」
きたー。
嫌な予感はしていた。
この人本当に私とゴルフ行く気あるのか?私に興味とか好意がまるでないと感じていた。
理由は特にない。なんとなく言動や行動が前とちょっと変わった気がしていた。
前日ドタキャンの理由は「ゴルフ場の手違いで予約が取れてなかった。」だそう。
LINEの詳細を開かずとも、ここまでは確認できた。
その理由が本当かどうかなんてどうでもいい。
想定の範囲内だった。
想定してたとはいえ、落ち込むことは避けられなかった。既読をつけるのすら嫌になり、数時間放置して考えてみた。
予定していた"明日のゴルフ"とは彼と私の2人きりで泊まりのゴルフに行くことだった。
明日をドタキャンして、別日で他の女子と予定を合わせて行くのかもしれない。
そうだとしても、もうそれはそれでどうでも良かった。
確認のしようもないし、そもそも私の彼氏でも所有物でもなんでもない。勝手にしてくれ。
はたまた、単に私と2人で長時間過ごすのが嫌になり、他にあてがあるわけでもなくキャンセルしたのかもしれない。
だったらいっそのこと
「よく考えたらやっぱり君と行く気しないんだ。」とか辛辣な言葉を投げつけて欲しかった。
実にわかりやすい。未練もなにもなく一瞬で嫌いになれる。
私が思いつく"彼が隠しているであろう本当のキャンセル理由"はこの2つのみだった。
LINEを放置している数時間、起こった出来事を一人で反芻し、ほらねとかやっぱりとかでたでた。と独り言をぶつぶつ繰り返していた。
ドタキャンLINEが来てから約3時間。またLINEがきた。
「土曜は泊まりじゃなくて。」
ん?意味が分からない。
ここへ来てようやく1つ目のLINEに既読をつけた。
「ゴルフ場の手違いで明日予約できてなかった。。土曜日はゴルフいけない?」
なるほど。そういうことか。
とりあえず土曜日は用事があることを伝え、またひとり考え始めた。
あれ?また誘われたぞ?
文章からして土曜は2人ではなく、大勢でのゴルフの人数埋めとかだろう。深い意味はない。
そもそも全ての彼の行動に対して私が深く考えているだけで、彼は何も考えていないんだろう。
私がひとりうろちょろ鼠のように彼の掌の上を駆け回っているのだ。
彼は掌を私に提供している自覚すらない。
これが俗にいう片思いか。
「(泊まりの)ゴルフはまた別日で予定合わせよ。ところで明日事務所来れない?」
ドタキャンをくらい、明日の私が暇であることを知ってる世界でただ一人の人間からの余裕の問いかけだ。
私は先月1カ月間だけ、彼の会社の雑用を手伝っていた。
急きょ人手不足となり、暇な人間が私しか思いつかなかったらしい。
また明日も仕事を手伝えということなのだろう。
行けると伝え、今日を迎えた。
いま考えるとここまでは大した問題ではなかった。
ドタキャンをくらったことは大した問題だが、その後も新たな誘いを持ち掛けられたことで、掌を駆け回る鼠の気持ちはふわふわとよくわからないところを浮遊していた。
お昼すぎに会社に着き、仕事はすぐに終わった。
その他の雑務にとりかかり1、2時間経った頃。彼と二人きりになる時間があった。
「今日寒いしゴルフ行っても大変だったね~」とか適当な会話をしていた。
もうやるべき仕事もないし「帰ろうかな」と私がつぶやく。
内心では、今日私が予定空いてるの知ってるだろうし、ご飯でも一緒にいってくれたらいいなと淡い期待を抱いていた。
彼「(お昼)ご飯食べたの?」
私「食べてない」
彼「俺もうお腹いっぱいなんだよなー。昼すぎから飲めるとこないかな?w
あ、シミュレーションゴルフでもいく?」
私「いいですねっ」
彼「いつも早めから飲み始めて6時くらいには家に帰って寝たいわ~」
私「あはは、おじいちゃんみたい(^^)」
という、なんとも微笑ましいやり取りをしたはずだった。
あれは夢だったのだろうか。
いや、確実にした。
この時点で私の脳内では、遅くてもあと1時間以内には2人とも仕事を切り上げ、会社をでてご飯をたべながらシミュレーションゴルフをするプランが出来上がっていた。
昨晩寝る前に陥った妄想と似通ったプランではないか。なかなかいい。計画通りだ。
1時間を過ぎても彼は退社する気配がない。しかしまだ許容範囲だ。
そうか。もしかしたら、2人で一緒に退社するのは周りの目が気になるから、LINEを使って連絡が来るのかもしれない。
あの話から2時間が経とうとしていた。私はその間ずっと、人の仕事を手伝ったり、急ぎではない仕事をしたり、"いつでも帰れます感"を出していたつもりだ。
そんなとき彼が独り言を放った「さて、そろそろ俺の仕事は終わりかな~」
やっときたか。
彼は上着を着てバッグを手に取る。
そしてドアの方へ向かい歩き出す。
「お疲れ様~」
彼は私たちが仕事をしている室内にそう言い放ち、出ていった。
颯爽と出ていった。
2時間程度微笑ましかった私の脳内は急速に逆回転しだした。
・・え?どういうこと?
そうか、忘れていた。私たちにはLINEという手段があった。
やっぱり2人で同時に退社するのはまずかったのか。
私は動揺を微塵も滲ませず、無駄のない手つきでLINEを開く。
会社のドアを出るとすぐ目の前はエレベーターだ。彼が出ていって2、3分経っただろうか。
エレベーターを待つ時間、乗る時間を考えても短文を打つ時間は十分にある。
私のLINEはまだ無言を貫いていた。
おいおい、ちょっと待てよ?ガチで意味が分からない。
想定外の事態に襲われた私は自己防衛本能が大いに働いていた。
今頃彼はビルを出てタクシーに乗るころだ。
そうか。急な電話がかかってきて私にメッセージが送れないのか。
安心してもう少し待ってみよう。
彼の背中を見送って、5分が経った。
もう絶望的だった。私の脳内では現実を受け止められない言葉とか感情がループしていた。
このときはもう動揺を滲ませない自信がなかった。トイレに駆け込む。
トイレの大きな鏡に映る自分を見つめて「嘘でしょ・・」と呟く。
ただただ絶望感に襲われた。
こんなことってあるの?笑
怒りと喪失感で少し笑わずにはいられなかった。
事務所に戻り、身支度を済ませ、タイムカードを通し、「お疲れ様でした~」と笑ってみせた。
当然、彼からのLINEはいまだに来ない。
駅に着き電車に乗ってもなお、私の脳内は突如現れた難問に答えを出せずにいた。
地元駅に着き、春とは思えぬ極寒の中をふらふら歩く。そういえば朝から何も食べていない。
そして今に至る。
あまりの腹立たしさにがっつり系パスタをぶち込む。
Instagram
もちもち太麺にふんだんにあしらわれたバジルが全部の歯の隙間に絡みついていようと、声を大にして言いたい。
何様なんだ。ふぁっく。ファック。ふぁああああっっく!!!!!!!
今晩、真夜中にもう一度パスタをぶち込みたいくらい怒りと喪失感が収まらない。
なんなの?
あなた言ったよね?
私の空耳ですか?
もうあまりの動揺で一語一句思い出せない自分も悔しいけど、
確実にあなた"どこかいこうか感"出してたよね?言ってたよね?
怒。怒。怒。怒。
信じて待ってた私って何者?ミジンコ?は?
もうやめよう。主体性のある人間になろう。
人と関わることで気分が上がったり下がったり。もうやめよう。
恋に落ちようなんて夢をみていたんだ。
彼の立場も、私たちの関係も、鼠のような私の行動も、もう何もない。
あなたと関わるの、もうやめます。
"たまに遊ぶ女の子"の枠に入るのももうやめます。さようなら。